つめたい指先

概要

今年も気温が落ち着いてきたと思ったら
秋を通り越して一気に冬になってしまいました。
人肌恋しいこの季節、あなたは誰と、過ごしたいですか?

語り手: 道野 草太 🕯怖い話を読む人 / 語る人🕯
語り手(かな): みちのそうた こわいはなしをよむひと かたるひと

Twitter ID: MICHI_KUSA_
更新日: 2023/06/02 21:46

エピソード名: つめたい指先

小説名: つめたい指先
作家: はちゃこ
Twitter ID: hacha_upa


本編

いつのまに季節はかわっていたのだろう。
静まりかえった夜に、ためいきがおちる。
いや、ずっと見ないふりをしてきたのだ。
ふたりの時間が忙しさに侵食されていることを。
気がついたときには、もう、つめたい空気が流れていた。

ふとんの隙間からすべりこんで、
あなたのからだに、そっと足先を絡ませる。

「あなたのすべてが欲しい」

私が囁くと、あなたは怯えるように小さく息をのんだ。
触れた指先からは、緊張が伝わってくる。
ひえきった私のからだは、
先にベッドに横になっていたあなたの熱を
容赦なくどんどん奪いとっていく。

また、大好きなあなたといっしょに寝れる
あたたかいおふとんの季節がやってきた。
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