【聴くっしょ!で読むっしょ!】プラネタリア【@hear】
概要
前を向いて歩いていく私と
ギター弾きの彼女に幸あれ…!
ギター弾きの彼女に幸あれ…!
語り手: ぬっぴぃ
語り手(かな): ぬっぴぃ
Twitter ID: hisano_nuppy
更新日: 2024/07/04 15:56
エピソード名: プラネタリア
小説名: プラネタリア
作家: 狸寝入り
Twitter ID: haruru765
本編
朝起きてテレビの電源をいれて、部屋の明かりをつける。
音量を小さくして、洗面所を目指す。
水道をひねって冷たい水を出し手ですくって顔にかける。
「あ~、仕事だ」私はそう呟いて、歯磨きを始めた。
いつもこうだ。目覚ましがなる五分前に起きて、この繰り返し。
朝の占いを見て出勤。もちろん電車は寝て過ごす。
誰とも目を合わさない、誰とも話さない。
一人だ……一人だ。
職場に着く前にトイレに行く。
これはとても大切なことだ。
誰とも会話しない私から、仕事好きの私の仮面をつける行為だからだ。
その仮面をいつからつけ始めたかは分からないけど、こうでもしないとやってられない。
上司への愛想笑い。パート達の小競り合いの仲裁。うんざりだ、うんざりだ。
そして十時間後会社を出れば星達が私を見下ろしてくれる。
駅に着く頃には、仮面は自然ととれていた。いつものことなのだ。
でも、今日は私の敷いたレールから外れてみよう。
明日は休みだ、お酒というものを試すのもいいかもしれない。
でも、居酒屋に入る勇気もない。
ふと、路地から歌声が聞こえてきた。
何とはなしに足を向ける。
ギターを持ったジャージ姿の女の子がうつむき、時おり前を見ながら歌っていた。
聞いたことのない曲だ。
若者らしいとがった歌詞だった。
でも自然と私は聞き入ってしまう。
いつからいくつものペルソナ使って生きてきたんだろう。
大人になったから仕方ないのか?
そんなのは言い訳だ。
自分って何なんだ?……何なんだ?
分からないけど、彼女の歌を聞いていると涙が出てくる。
その歌が終わった時、私は拍手をしていた。
目立たないよう、空気のように、何にも期待せず無の感情で生きてきたのに、私の心は動かされてしまったんだ。
彼女がチラリと私を見て、ペコリと頭を下げた。
私は財布から一万円札を出して、彼女のギターケースにいれてその場を立ち去る。
私は生きているんだと久しぶりに実感した。
世界があって私がいるんじゃなく、私がいるから世界があるって考え方をしようって思った。 星が当然のように輝く空の下を私は今日も歩く。
いや、何時もより晴れ晴れとした気分で歩くんだ。
ハローニューワールド、グッバイ、パースト。
音量を小さくして、洗面所を目指す。
水道をひねって冷たい水を出し手ですくって顔にかける。
「あ~、仕事だ」私はそう呟いて、歯磨きを始めた。
いつもこうだ。目覚ましがなる五分前に起きて、この繰り返し。
朝の占いを見て出勤。もちろん電車は寝て過ごす。
誰とも目を合わさない、誰とも話さない。
一人だ……一人だ。
職場に着く前にトイレに行く。
これはとても大切なことだ。
誰とも会話しない私から、仕事好きの私の仮面をつける行為だからだ。
その仮面をいつからつけ始めたかは分からないけど、こうでもしないとやってられない。
上司への愛想笑い。パート達の小競り合いの仲裁。うんざりだ、うんざりだ。
そして十時間後会社を出れば星達が私を見下ろしてくれる。
駅に着く頃には、仮面は自然ととれていた。いつものことなのだ。
でも、今日は私の敷いたレールから外れてみよう。
明日は休みだ、お酒というものを試すのもいいかもしれない。
でも、居酒屋に入る勇気もない。
ふと、路地から歌声が聞こえてきた。
何とはなしに足を向ける。
ギターを持ったジャージ姿の女の子がうつむき、時おり前を見ながら歌っていた。
聞いたことのない曲だ。
若者らしいとがった歌詞だった。
でも自然と私は聞き入ってしまう。
いつからいくつものペルソナ使って生きてきたんだろう。
大人になったから仕方ないのか?
そんなのは言い訳だ。
自分って何なんだ?……何なんだ?
分からないけど、彼女の歌を聞いていると涙が出てくる。
その歌が終わった時、私は拍手をしていた。
目立たないよう、空気のように、何にも期待せず無の感情で生きてきたのに、私の心は動かされてしまったんだ。
彼女がチラリと私を見て、ペコリと頭を下げた。
私は財布から一万円札を出して、彼女のギターケースにいれてその場を立ち去る。
私は生きているんだと久しぶりに実感した。
世界があって私がいるんじゃなく、私がいるから世界があるって考え方をしようって思った。 星が当然のように輝く空の下を私は今日も歩く。
いや、何時もより晴れ晴れとした気分で歩くんだ。
ハローニューワールド、グッバイ、パースト。