聴くっショ!作品を朗読してみた~海月大和・捨て犬観察日記~朗読:yukisige

概要

観察日記をハラハラして読みました。
最後はほっこりする作品です。
朗読承認ありがとうございました!

語り手: yukisige
語り手(かな):

Twitter ID: @yukisige13
更新日: 2023/06/02 21:46

エピソード名: 捨て犬観察日記

小説名: 捨て犬観察日記
作家: 海月大和
Twitter ID: LittleYamato


本編

月曜日(晴れ)

学校帰りに捨てられた子犬を発見。
毛並みも綺麗だし、痩せてもいない。捨てられたばかりなのだろう。
十分ほど観察してそのまま帰宅した。


火曜日(晴れ)

捨て犬に餌をやっている子供たちがいた。
小学生だろうか。四人ともすごくはしゃいでいる。
誰か持って帰るのかと思ったが、そういうわけではないらしい。
小学生が帰ったのを見送って帰宅した。


水曜日(曇り)

捨て犬を撫でまくる女の子たちがいた。
中学生だろうか。「かわいい」と「ヤバい」と「超かわいい」を連呼している。
誰か連れて帰るのかと思ったが、そういうわけではないらしい。
帰り際に軽く睨まれたのが納得いかない。
釈然としないまま帰宅した。


木曜日(雨)

急に天気が崩れて土砂降りになった。
傘を学校に起きっ放しにしていて助かった。
さすがに今日は捨て犬に構う人間はいないらしい。まあ、そうだろう。
とりあえず早く家に帰りたい。
……確か、柄が取れた傘が家にあったはずだ。


金曜日(晴れ)

晴れた。昨日の大雨が嘘のようだ。
傘を回収しようと思ったら、捨て犬をじっと見つめる女の子がいた。
高校生だろうか。なにか、ひどく悩んでいるらしい。
近づき難い雰囲気だったので、傘の回収は諦め、そのまま帰宅した。


土曜日(曇り)

改めて傘の回収に向かった。
意外に捨て犬の健康状態は良い。傘を掴もうとしたら甘噛みされた。
帰り際、昨日見た女の子とすれ違った。
相変わらず難しい顔をしていた。


日曜日(雨)

捨て犬がいない。
自力でどこかへ行ったのだろうか?
それとも、保健所に連れて行かれたのか。
誰かに拾われたのならいいが、そうでないのなら……。


月曜日(晴れ)

元捨て犬と、笑顔の女の子が仲良く散歩していた。
どちらもすごく楽しそうだった。
筋肉痛でさえなければ、自分も素直に喜べたかもしれない。



以上、観察終わり。
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