聴くっしょ!作品を朗読してみた~蒼河颯人・届いたプレゼント~朗読:yukisige~低音

概要

最初と最後の印象がガラリと変わる作品。
のんびり読み始めて…最後の戦慄…。

朗読承認ありがとうございました!

語り手: yukisige
語り手(かな):

Twitter ID: @yukisige13
更新日: 2024/10/09 09:36

エピソード名: 届いたプレゼントの中身は……?

小説名: 届いたプレゼント
作家: 蒼河颯人
Twitter ID: hayato_sohga


本編

 ある日、僕のもとに一つの荷物が届いた。
 今日は僕の誕生日だ。
 宛名は僕宛だ。間違いない。
 郵便配達の人から受け取り、受領印を押す。
 今日はたまたま仕事が休みだったので、ちょうど良かった。
 早速開けてみようか。
 
 両手抱えの大きさのあるダンボールだ。
 中々大きい。
 一体何が入っているのだろう。
 高鳴る胸の音に耳を澄ませながら、僕は固定されていたガムテープをばりばりと剥がしにかかった。

 ダンボールを開いてみると、中に真っ黒な箱が入っていた。
 それには紐が結んであり、蓋が開かないようにしっかりと固定されているようだ。
 今度は紐をほどきにかかる。
 しゅるると音を立てて、戒めを解かれたその蓋に手をかけてみると、それは簡単に開いた。
 
 その中には、一回り小さな緑色の箱が入っていた。
 それは中身が出ないよう、テープで止めてあった。
 今度はその箱を取り出し、固定してあるテープをびりりと剥がしにかかった。
 全てテープを剥ぎ終え、蓋を開けた。

 すると、その中には、更に一回り小さな青色の箱が入っていた。
 その箱を開けると、その中には更に一回り小さい黄色の箱、その箱中には更に一回り小さなオレンジ色の箱……と、開けては箱、開けては箱……を数回繰り返した。
 
 (まるで入れ子だな。一体本当の中身は何だろう? )

 到頭、箱は両手に乗る程度になった。
 赤い箱だ。
 いくら何でも、流石にもうこれ以上の箱はないだろう。
 周囲は、空き箱の山となっている。
 それを開いてみると、アルミ製の容器が現れた。
 
(待てよ、これ、見覚えがある容器だな)

 すっかり忘れていたが、これ、昔公園の砂場に埋めたタイムカプセルだった。
 勿論、自分一人でこっそりと埋めた。
 どれ位に埋めたものだったのだろう。確か、二十年位前だったっけ?
 懐かしいけど、中には僕の黒歴史がぎっしり詰まっている。
 ゼロ点の答案用紙や小学生の時にハマっていた特撮ヒーローのグッズなど、中に入れるものが中々思いつかなくて、ふざけて入れた。
 どうせ誰も見ないだろうと思って、そこまで深く考えてなかった。
 懐かしいなと頬がゆるんだと同時に、背筋が寒くなった。

 待てよ。
 確認してみると、送り主名が何故か空欄になっている。
 連絡先も黒く塗りつぶされている。

 そう言えば、誰にも今の住所は知らせていなかったのだが、これを送ってきたのは一体……
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