【朗読】雪溶け 作:恋本麻由 語り:テトミヤ【その他】
概要
恋本麻由様の『雪溶け』を読ませていただきました。
凍り付くような冷たい真っ白な世界の中を苦しみつつもひたすらに歩いた先に、光を見つけるお話。
恋本麻由様、素敵なお話をありがとうございました!
凍り付くような冷たい真っ白な世界の中を苦しみつつもひたすらに歩いた先に、光を見つけるお話。
恋本麻由様、素敵なお話をありがとうございました!
語り手: テトミヤ
語り手(かな): てとみや
Twitter ID: teto_miya
更新日: 2024/09/11 21:36
エピソード名: 雪溶け
小説名: 雪溶け
作家: 恋本麻由
Twitter ID: @Koimoto_Mayu
本編
手先が悴む。
寒くて冷たくて、息を吐けば白く曇った。
白い道をさくさくと、音を立てながら歩いていく。どれだけ着込んでも、すり抜けるように風が突き刺さった。
思わず肩を震わせるがそれでも前へ進む。
歩いても歩いても先が見えない。
一面真っ白に覆われているが、空は灰色だった。
足元も震えてとうとう前へ進むことが出来なくなった。ここから逃げたくても体が思うように動いてくれない。
目の前が真っ暗となり、世界に1人取り残されたようで怖くなった。
やがて立っていることもできなくなり、そのまま地面へと突っ伏した。震えが止まらず、苦しい、助けてほしいと思う気持ちでいっぱいになった。
地上にいるはずなのに、水中に突き落とされたようなそんな感覚に陥る。
うまく息が吸えなくて、喉元を押さえた。
しばらく小さく丸まっていると、ほんの少しだけ光が差し込んできた。頭皮に当たってポカポカする。
ゆっくりと顔をあげて少しだけ前を見た。
先程までの白い世界が崩れ始めようとしていた。
体に力を入れて、必死に起きあがろうとする。
でも、白いものが邪魔をして滑ってしまった。
顔は冷たく、そして痛みが走る。
それでも腕に力を入れて地面を這いずった。
やがて白いものが見えなくなると、少しずつだが足に力を入れて立ち上がった。
ゆっくりとだが前へ向かって歩き続ける。
どんどん先に進むと光に包まれた。
眩しくて思わず目を瞑った。
そして再び目を開けた先には
桜の木が咲き誇っていた。
寒くて冷たくて、息を吐けば白く曇った。
白い道をさくさくと、音を立てながら歩いていく。どれだけ着込んでも、すり抜けるように風が突き刺さった。
思わず肩を震わせるがそれでも前へ進む。
歩いても歩いても先が見えない。
一面真っ白に覆われているが、空は灰色だった。
足元も震えてとうとう前へ進むことが出来なくなった。ここから逃げたくても体が思うように動いてくれない。
目の前が真っ暗となり、世界に1人取り残されたようで怖くなった。
やがて立っていることもできなくなり、そのまま地面へと突っ伏した。震えが止まらず、苦しい、助けてほしいと思う気持ちでいっぱいになった。
地上にいるはずなのに、水中に突き落とされたようなそんな感覚に陥る。
うまく息が吸えなくて、喉元を押さえた。
しばらく小さく丸まっていると、ほんの少しだけ光が差し込んできた。頭皮に当たってポカポカする。
ゆっくりと顔をあげて少しだけ前を見た。
先程までの白い世界が崩れ始めようとしていた。
体に力を入れて、必死に起きあがろうとする。
でも、白いものが邪魔をして滑ってしまった。
顔は冷たく、そして痛みが走る。
それでも腕に力を入れて地面を這いずった。
やがて白いものが見えなくなると、少しずつだが足に力を入れて立ち上がった。
ゆっくりとだが前へ向かって歩き続ける。
どんどん先に進むと光に包まれた。
眩しくて思わず目を瞑った。
そして再び目を開けた先には
桜の木が咲き誇っていた。