【怪談朗読】イマジナリーフレンドが異界に誘う…‼️押入の怪異!!
概要
作家 狸寝入様の『押入の怪異』を朗読させて頂きました。
日常に潜む非日常的な怪異!
その世界に誘う文章と雰囲気が巧みです。
素敵な作品を朗読させて頂き誠にありがとうございました!
日常に潜む非日常的な怪異!
その世界に誘う文章と雰囲気が巧みです。
素敵な作品を朗読させて頂き誠にありがとうございました!
語り手: ねこぽて
語り手(かな):
Twitter ID: neko_pote_ch31
更新日: 2024/01/31 21:21
エピソード名: 押入の怪異
小説名: 押入の怪異
作家: 狸寝入り
Twitter ID: haruru765
本編
「たー君。誰とお話ししてるの?」
アパートの寝室で、押入の方を向いて一人話す息子に話しかけます。
「うんとね、友達~」
ニコニコと笑みを向けて教えてくれた。
「え? 誰もいないでしょ?」
「いるよ! 女の子。昨日もお話ししたんだよ」
立ち上がり嘘じゃないと指を指して、私のそばに、走ってきます。
「そ、そうなんだ。ごめんね、お母さんには見えないわ」
頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめました。
幼稚園に行かせてないし、イマジナリーフレンドってやつなのかな?
小さいうちはそういうのがあるって言うし、大丈夫よね?
私はそう考えて、強くは怒こらないことに決めました。
次の日もその次の日も、息子は誰かとお話しをしています。
1ヶ月過ぎる頃にさすがに心配になってきました。
旦那は息子に無関心だし、お母さんも小さいうちは~としか言わないので、たよりになりません。
夕飯の支度をしながら、明日にでも病院に行ってみようと考えていると……
息子の声が静かになりました。
「あら、寝ちゃったのかしら?」
手を止めて、寝室を覗きます。
部屋の電気は消えていて、手探りで電気をつけると息子の姿が見当たりません。
私は驚きながら、トイレ、風呂場と確認しましたがどこにも姿がなく膝から崩れそうになりました。
外には出れないし、そうだ。もしかして……
最後の望みとして押入の前に行き、ドアを開きます。
「ひぃっ」
🔹🔹🔹🔹🔹
「この噂、知ってる?」
女子高生がスマホを見せながら、友人に話しかける。
「知ってる、知ってる。押入の友達だよね」
「そうそう。友達を押入に招いて、食べちゃうんだよね~」
(完)
アパートの寝室で、押入の方を向いて一人話す息子に話しかけます。
「うんとね、友達~」
ニコニコと笑みを向けて教えてくれた。
「え? 誰もいないでしょ?」
「いるよ! 女の子。昨日もお話ししたんだよ」
立ち上がり嘘じゃないと指を指して、私のそばに、走ってきます。
「そ、そうなんだ。ごめんね、お母さんには見えないわ」
頭を撫でて、ぎゅっと抱きしめました。
幼稚園に行かせてないし、イマジナリーフレンドってやつなのかな?
小さいうちはそういうのがあるって言うし、大丈夫よね?
私はそう考えて、強くは怒こらないことに決めました。
次の日もその次の日も、息子は誰かとお話しをしています。
1ヶ月過ぎる頃にさすがに心配になってきました。
旦那は息子に無関心だし、お母さんも小さいうちは~としか言わないので、たよりになりません。
夕飯の支度をしながら、明日にでも病院に行ってみようと考えていると……
息子の声が静かになりました。
「あら、寝ちゃったのかしら?」
手を止めて、寝室を覗きます。
部屋の電気は消えていて、手探りで電気をつけると息子の姿が見当たりません。
私は驚きながら、トイレ、風呂場と確認しましたがどこにも姿がなく膝から崩れそうになりました。
外には出れないし、そうだ。もしかして……
最後の望みとして押入の前に行き、ドアを開きます。
「ひぃっ」
🔹🔹🔹🔹🔹
「この噂、知ってる?」
女子高生がスマホを見せながら、友人に話しかける。
「知ってる、知ってる。押入の友達だよね」
「そうそう。友達を押入に招いて、食べちゃうんだよね~」
(完)