大人になるということ~探索編~
概要
聖ひじきさんの作品を朗読させて頂きました。
語り手: 加賀めぐみ
語り手(かな): かがめぐみ
Twitter ID: @kagamegumi
更新日: 2023/11/08 21:15
エピソード名: 大人になるということ〜探索編〜
小説名: 大人になるということ〜探索編〜
作家: 聖ひじき
Twitter ID: kikudokusyo
本編
僕は「大人」になりたかった
なんでそう思ったのか、本当のところは覚えてなんかいない。
それは好きな相手への見栄だったかもしれないし、子どもだからと下に見るオトナに一矢報いるためだったかもしれない。
でもそんなことはどうでもいい。
問題は「大人」になる方法がどこにも無いことだった。
どんなに大きい図書館に足を運んでも、どんなに高名な教授に質問をしても、その答えは見つからなかった。
まるで方法そのものが隠されているみたいだった。子どもなんだからそのままであれと、そう言われているようで悔しかった。
だから僕は、思いつく限りの「大人」をしてみることにした。
春には独立なんて言って家出をして、夏には趣味だったゲームを辞めた。
秋には大人の嗜好品に手を付けたし、冬にはみだらに四肢を絡め合ったりもした。
それでも「大人」にはなれなかった。
できあがったのは、ただ背伸びをするだけの子ども。
ああ、誰か教えておくれ。
どうやったら「大人」になれる?
なんでそう思ったのか、本当のところは覚えてなんかいない。
それは好きな相手への見栄だったかもしれないし、子どもだからと下に見るオトナに一矢報いるためだったかもしれない。
でもそんなことはどうでもいい。
問題は「大人」になる方法がどこにも無いことだった。
どんなに大きい図書館に足を運んでも、どんなに高名な教授に質問をしても、その答えは見つからなかった。
まるで方法そのものが隠されているみたいだった。子どもなんだからそのままであれと、そう言われているようで悔しかった。
だから僕は、思いつく限りの「大人」をしてみることにした。
春には独立なんて言って家出をして、夏には趣味だったゲームを辞めた。
秋には大人の嗜好品に手を付けたし、冬にはみだらに四肢を絡め合ったりもした。
それでも「大人」にはなれなかった。
できあがったのは、ただ背伸びをするだけの子ども。
ああ、誰か教えておくれ。
どうやったら「大人」になれる?