猫になれたら良かったのに
概要
君に可愛がられている野良猫に、僕は嫉妬する
〜「君」へ想いを寄せる「僕」の小さな小さな物語〜
〜「君」へ想いを寄せる「僕」の小さな小さな物語〜
語り手: スキヲカタル
語り手(かな):
Twitter ID: sukiokataru
更新日: 2023/06/02 21:46
エピソード名: 猫になれたら良かったのに
小説名: 猫になれたら良かったのに
作家: たちばな
Twitter ID: @no_ra_medaka
本編
猫になれたらよかったのに。
君にじゃれる猫のように。
なんの咎なく何に縛られるでもなく君に甘え、当然のように君に撫でられている猫が妬ましいなんて、君が聞いたら笑うだろうか。
公園の片隅にふわふわの毛玉のような猫が一匹、丸くなっている。
いつも君が撫でているその野良猫は今日も君を待っているのか、ひとり陽だまりで微睡んでいた。
僕が近づくと耳をピクリとさせ、面倒くさそうに片目を薄っすらと開ける。
正直、可愛い。
たとえ妬ましかろうと、僕だって好きなのだ。
このもふもふとした生き物が。
なあ、にゃんこ。
いつも君ばかりあの子に撫でられて
ずるくないか?
猫は僕が向ける視線に何を思ったかチラリとこちらを一瞥すると、僕には興味がないと言わんばかりに大きな欠伸とともに再び微睡の中へと戻っていった。
悪かったよ昼寝の邪魔をして。
僕は一人苦笑するとその場を去ろうと猫に背を向け、そして立ち止まった。
目の前には、笑顔の君がいて……。
僕においでと両の手を広げていたのだ。
猫になれたらよかったのに。
君にじゃれる猫のように。
なんの咎なく何に縛られるでもなく君に甘え、当然のように君に撫でられている猫が妬ましいなんて、君が聞いたら笑うだろうか。
なあ、にゃんこ。
僕はやっぱり、わんこで良かったと思うんだよ。
君にじゃれる猫のように。
なんの咎なく何に縛られるでもなく君に甘え、当然のように君に撫でられている猫が妬ましいなんて、君が聞いたら笑うだろうか。
公園の片隅にふわふわの毛玉のような猫が一匹、丸くなっている。
いつも君が撫でているその野良猫は今日も君を待っているのか、ひとり陽だまりで微睡んでいた。
僕が近づくと耳をピクリとさせ、面倒くさそうに片目を薄っすらと開ける。
正直、可愛い。
たとえ妬ましかろうと、僕だって好きなのだ。
このもふもふとした生き物が。
なあ、にゃんこ。
いつも君ばかりあの子に撫でられて
ずるくないか?
猫は僕が向ける視線に何を思ったかチラリとこちらを一瞥すると、僕には興味がないと言わんばかりに大きな欠伸とともに再び微睡の中へと戻っていった。
悪かったよ昼寝の邪魔をして。
僕は一人苦笑するとその場を去ろうと猫に背を向け、そして立ち止まった。
目の前には、笑顔の君がいて……。
僕においでと両の手を広げていたのだ。
猫になれたらよかったのに。
君にじゃれる猫のように。
なんの咎なく何に縛られるでもなく君に甘え、当然のように君に撫でられている猫が妬ましいなんて、君が聞いたら笑うだろうか。
なあ、にゃんこ。
僕はやっぱり、わんこで良かったと思うんだよ。