あなたはどうする?

概要

「知らないことは罪である」
確かにそう。生きていく上で知っておかなくてはいけないことがある。
悲劇は往々にして「知らない」ことから生まれるものだ。
でも世の中には知りたくないこと、知りたくもないこと、そして知らなくていいこともある。
そうすることで幸せに過ごせることも。
選択は、自分次第。

TOMOさん、許可いただきありがとうございました。

BGMを2曲から絞り切れずもう1バージョン作りました(音楽が違うだけです)よろしければ聴き比べてみてください。
https://youtu.be/kbO_yOtMk1o

語り手: まさと(長良真里)
語り手(かな): ながらまり

Twitter ID: masatonyarara
更新日: 2023/06/02 21:46

エピソード名: 【本編】知らないという犯罪

小説名: 知らないという犯罪
作家: TOMO
Twitter ID: kikudokusyo


本編

…僕たちは悲しいほどちっぽけで
何も知らない。

地球がどうやって生まれたのか?
知らない。

争いがなぜ起きるのか?
知らない。

彼女がなぜ怒っているのか?
知らない。

自分の気持ちですら怪しいのに世界のことに興味を向けられるほど余裕がない。

いや、興味を持ったとしてどれほどのものを知ることができるのだろうか。

今までの歴史上、どんな天才でも世界のすべてを理解した人物がいないことが答えなのかもしれない…

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「この世」には、”知らないということは罪である”という思想がある。もし、本当にそうなのであれば「この世」に生きるほぼすべてのものが犯罪者となる。

ただ、唯一罪のない存在があるとすれば全知全能と言われる神だろう。

昔から多くの人は、神に対して助けやご利益を得ようと必死に祈るのだが、ほんとうに神は人を助ける存在なのであろうか。

というのも、「この世」にいる多くの犯罪者が罪を棚上げして許されよう、利益を得ようとしている状況で神は人々を助けたいと思うのだろうか。助けるどころか浅はかで滑稽に見えているのではないだろうか、と思うからである。

もしかしたら、僕たちが生きる「この世」という場所は犯罪者のためにつくられた牢獄であり償いの場所なのではないか…

もし、そうなのだとしたら僕たちの償いはいつまで続きどこで果たされるのか…

知りたくもない…
5