金木犀の花言葉

作家: ふわり
作家(かな): ふわり

金木犀の花言葉

更新日: 2023/10/09 15:29
詩、童話

本編


この香りは…
あぁ、もうそんな季節か…

君と出会ったのも金木犀の香る頃だった。
君はどこか人を寄せ付けない気高さがあって、僕は君に声をかけるのを、いつもためらっていたんだ。
そんな僕を見透かしたように見つめる濡れた黒い瞳に、誘惑されないはずがないじゃないか。

僕達の間には、金木犀のように甘い時間しか流れていなかった。

僕は君との逢瀬に陶酔した。
そこに真実なんて必要なかったんだ。あの日までは…
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