月光があまりにも冴えて胸が騒ぐものだから、皆が寝静まった頃を見計らい、ひとりで屋敷を抜け出した―― 春先の眠れない夜。 山中の小さな神社と、桜のお話。
あらすじ 小雪はあまり物事にこだわらない、サバサバした年上の女だ。 安月給な俺にとってもいろいろと都合が良くて、後腐れもなさそうだし、気楽でいいや、なんて思っていたけれど。 些細な喧嘩が発端で自分の気持ちに気が付いた「俺」のショートストーリー。 ※エブリスタにて掲載、公開している作品と同じものです。
「夜(よ)に咲く花の見る夢は」 ※過去に「宵闇奇譚《櫻の章》」として公開していた作品です。 まだ現世《うつしよ》と幽世《かくりよ》とが曖昧だった頃。 夜毎浮かんでは消えるものたちに心惹かれ、仄暗い宵闇の中で彼らのことばに耳を傾ける一人の男がいた。 結城麟太郎と名乗るその男は、愛用の杖を手に夜道を一人往く。 月夜に照らされた道の半ば、今宵もまたひとつ。