紅茶「砂糖を入れない紅茶」
紅茶「砂糖を入れない紅茶」
更新日: 2023/06/02 21:46エッセイ、ノンフィクション
本編
紅茶にたっぷりと砂糖を入れて飲むのが好きだった。
それをやめたのは、10代の終わりに恋した人の影響。
彼は、大人になるにつれて、甘い紅茶が飲めなくなっていったという。
「今はもう、甘い紅茶なんか飲めるかよ!って感じ」
その言葉を聞いて、砂糖を入れずに紅茶を飲むのも「大人になる条件」としてインプットされた。
その場では、無理に彼に合わせず、砂糖を入れた。
いつもよりは、控えめに。
紅茶をかき混ぜる私の姿を見ながら、
「俺も昔は砂糖入れるの好きだったけどね。もう無理。ジジイかな?」
と、自虐的(じぎゃくてき)に言ってみせた。
年齢差は一桁(ひとけた)しかないのに、10代と20代、学生と社会人の違いが、大きく横たわっていた。
紅茶に砂糖を入れないだけで「大人」なんて、お互い可愛らしいことを考えていたよね……。
「熟女」のトシになった今は、紅茶を淹(い)れながら、遠い昔のデートを思い出す。
0それをやめたのは、10代の終わりに恋した人の影響。
彼は、大人になるにつれて、甘い紅茶が飲めなくなっていったという。
「今はもう、甘い紅茶なんか飲めるかよ!って感じ」
その言葉を聞いて、砂糖を入れずに紅茶を飲むのも「大人になる条件」としてインプットされた。
その場では、無理に彼に合わせず、砂糖を入れた。
いつもよりは、控えめに。
紅茶をかき混ぜる私の姿を見ながら、
「俺も昔は砂糖入れるの好きだったけどね。もう無理。ジジイかな?」
と、自虐的(じぎゃくてき)に言ってみせた。
年齢差は一桁(ひとけた)しかないのに、10代と20代、学生と社会人の違いが、大きく横たわっていた。
紅茶に砂糖を入れないだけで「大人」なんて、お互い可愛らしいことを考えていたよね……。
「熟女」のトシになった今は、紅茶を淹(い)れながら、遠い昔のデートを思い出す。