消えなかった魔法

作家: はちゃこ
作家(かな): はちゃこ

消えなかった魔法

更新日: 2024/07/01 11:27
詩、童話

本編


「私にはアリバイがあります」
容疑者の女性が声高に叫んだ。

「その日は一晩中、自宅におりました。
それに華やかなドレスも持ち合わせておりません。
こんな私がどうして出席できましょう」

とある舞踏会の主催者が殺害された事件。
逮捕の決め手となったのは、
凶器とみられる血痕つきのガラスの靴だった。

「時間を過ぎたら、全て消えると聞いてたのに、
まさか、こんなところで足がつくなんて」
容疑者の女性は、忌々しげにつぶやいた。
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