君へ(僕より)、君へ(私より)

作家: 織木真々
作家(かな): おきまま

君へ(僕より)、君へ(私より)

更新日: 2024/02/29 14:49
詩、童話

本編


~君へ(僕より)~

君へ。君は何故に毎日笑っていられるのだろうか。君の笑顔を見るたび僕は、幸せな気持ちになるのは何故なのだろうか。君が頑張っていることや、前に進もうとしている事は知っているよ。僕の声を直接届ける事は、なかなか出来ないけれど、僕の思いを君に届けたい。

~君へ(私より)~

君へ。君が居るから私は笑顔でいられるよ。君が笑顔で迎えてくれるから、私は笑顔でいられる。君とはなかなか会う事は出来ないし、君とお喋りすることもそう簡単に出来る事ではないよね。それでも私は、君がまた笑顔で迎えてくれるように頑張るから。この思い、届きますように。

~君へ(僕より)~

君はどうしてうしているだろう?僕が君と会えなくなってからどのくらいの時が過ぎただろうか。君は元気ですか?君は変わりなく頑張れていますか?君は今、幸せですか?君を思う僕は、、、。僕は君に何が出来るだろうか。

~君へ(私より)~

君は今、何をしていますか?私の事を今でも覚えていますか?君と会えなくなって随分と時間が過ぎましたね。君は元気でいるのかな?君は変わらずに、頑張っているのかな?君は今、幸せな時を過ごしていますか?君の事を思い出して私は頑張れているよ。私は、、、。

~君へ(僕より)~

僕は君に謝らなければならない。あの日、約束の場所に僕は行けなかった。勇気が無かった。僕なんかが行かなくても、との思いがあった。君に会いに行くよ。そう伝えていたのにだ。毎年この季節になると僕はその事を思い出し懺悔を繰り返す。今年もこの季節がやって来た。

~君へ(私より)~

私は君に伝えたい。あの日、約束の場所に君は来なかった。きっと忙しいんだ。私は自分を納得させた。君が会いに来てくれる。それがどれだけ嬉しかった事か。誰にも見られない場所でひとり、泣いたんだ。今年もまた、あの季節が来た。『君に会いたい』と伝えたい。

~君へ(僕より)~

今と言う時代は残酷で、忘れていた名前すら『検索』する事で知る事が出来る。そうでなくても『関連するワード』として出てきてしまう。それが出てくると言うことはだ。時代に求められ、成功している証なのだろう。僕はどうだ。名も知らぬ土地で誰にも知られる事はない。

~君へ(私より)~

このデジタル化が進んだ世界で君は私を知る事があるのだろうか。私が望んでも望んでいなくても個人の感情とは別に広がっていく。それが今と言う時代。私がどれだけ君の名前を探しても出てくる事はない。名前など、如何様にも変えられるしただの記号でしかないのだから。

~君へ(僕より)~

君の存在を改めて認知してしまった僕は、再び君から目が離せなくなった。僕は君から逃げたんだ。僕は君に惹かれていく僕が怖くなった。僕は君から、、、、逃げたんだ。 それなのに、それなのに君は再び僕の前に現れた。僕はどうしたら、、、

~君へ(私より)~

何度、君の名前を探しただろう。何度、君の名前を、、、私は。。。今日、偶然見つけたんだ。みんなで撮った一枚の写真。その中にね、君はいたんだよ。笑ってたんだよ。君だけが居ない世界が来るなんて思ってもみなかった。何で君だけが、、、ねぇ私、何か間違ったのかな。

~君へ(僕より)~

ネットで君の名前を見た時、僕の記憶の中の君は笑っていた。ネットを使えば、僕の知らなかった君の時間が一瞬にして手に入る。僕は僕の知らない君の時間を知ってしまったんだ。僕の失っていた時間は今に飛んだ。会いに行こうか。。。僕は荷物をまとめ、家を出る。

~君へ(私より)~

いつものように、私は君の名前を探していた。やっぱり無い。分かっていたことだ。君は来ない。分かっていても、探してしまう。君だけが居ないんだよ。偶然見つけた写真の君はみんなと笑っていたよ。飽きられちゃったのかな。君の居ない会場で今日も私はステージに立つ。

~君へ(僕より)~

僕は電車に乗り、君の居る待ちへ向かうよ。君の居る街はどう変わったろう。君を取り巻く世界はどう変わったろう。僕は君を目指し、君の居る世界を目指し、君へ会いに行く。持てる荷物も持ち、電車に揺られながら僕はひとり呟く。
「・・・ただいま。」

~君へ(私より)~私はこの世界であとどれだけのステージに立てるだろう。私を知っているみんなはいつまで私に付いてきてくれるだろう。みんな君の様に、いつか名前を見なくなる日が来るのだろうか。私は、、、。私がステージを降りてしまったら、負けを認めてしまう。君に、会いたいよ。

~君へ(僕より)~

僕は君に伝えなければならない。ここに帰って来たことを。君との想い出の詰まったこの地へ再び帰って来たことを。そして、君に会いに来た事を。君は笑ってくれるだろうか。君は笑って出迎えてくれるだろうか。君を取り巻くみんなは、昔と変わらずにいるだろうか。

~君へ(私より)~

君を思い出して、今日はあの頃の歌を歌ったんだ。写真の君が笑ってくれていたから。写真を通じて、君に届いているんじゃないかって、そう思ったんだ。みんな懐かしがって聞いてくれた。みんなの心にも君がいてくれるといいな。どうかこのような想い届きますように。。。

~君へ(僕より)~

僕が君と会わなくなってからどのくらいの時が過ぎただろう。君は元気ですか?君は変わりなく頑張れていますか?君は今、幸せですか?僕は君に何が出来るだろうか。僕は君にこの想いを届ける事が出来るだろうか。僕の想い、君に届け!

~君へ(私より)~

君と会えなくなって随分と時間が過ぎてしまいました。君は元気でいるのかな?君は変わらずに、頑張っているのかな?君は今、幸せな時を過ごしていますか?君の事を想い出して私は頑張れているよ。誰でもいい。私の想い、君に届けて!

~君へ(僕より)~

僕は来てしまった。君の居る場所へ。君の居る世界へ。ステージが始まり、君の目は、終始潤んでいた。声が震えていた。僕の目も終始潤んでいた。やがてステージが終わると僕は君に、僕の想いを伝える。「、、、ただいま。」
僕は君に手紙を渡した。

~君へ(私より)~

いつもの様に君の名前を私は探す。「、、、えっ!まさか!」
君の名前がある。君が居る。それがどれだけ嬉しかったか。どれだけ待ち望んだか。ステージの内容は記憶にない。何を喋ったか、何を歌ったか。君の目は終始潤んでいたね。私もだよ。こんなのずるいよ。

~君へ(僕より)~

僕は手紙に全てを託した。僕の想いは全て書いた。最後に、、、『大好きです。』

~君へ(私より)~

君の想いは全て受け取りました。君も私も今日の最後はくしゃくしゃに笑ったね。『ありがとう。』


君へ(僕より)、君へ(私より) ~完~
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