伝説の安心感

「ひぃぃっ！助けてくれぇぇ！（玄関に転がり込む）」

「いらっしゃいませ。弊社モデルハウスへようこそ。」

「この状況見てよく普通に挨拶できるね。なんなのアレ！？」

「あっ、弊社自慢の防犯システムをご体験頂けたのですね。」

「ご体験も何も、噛み殺されるかと思ったぞ！」

「でしたらお客様、次回はご予約での来場をおすすめ致します。」

「そうすれば大丈夫なの？」

「はい、予約カードを首からさげたお客様に関しては、急所は外すよう訓練されております。」

「なんでどっちみち襲われるんだよ。」

「最近は強盗など、とにかく物騒ですからね。『伝説の安心感に包まれる住まい』がウリですので。」

「安心どころか生きた心地がしなかったぞ。」

「太陽光発電とドーベルマン10頭が標準装備なのは弊社だけです。ご成約されますか？」

「結論が早すぎだろ。」

「なんと本日ですと、ご主人様とご家族の生命を守る『わんちゅ～る』を５箱プレゼント。」

「安心感なんてどこにあるんだよ！」