Blue Rose

作家: ふわり
作家(かな): ふわり

Blue Rose〜第2話

更新日: 2023/11/30 21:23
現代ドラマ

本編


《登場人物》

男1×女1

マスター Barのマスター。男性。

女性 客。いつも決まって青いカクテルを注文する。

《概要》

とあるBar。初めて訪れた女性が注文したのは「青いカクテル」。

名前のわからない青いカクテルが何なのか?

女性はなぜ青いカクテルを注文するのか?

3話完結の第2話。

《目安》7分程度



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『Blue Rose〜第2話』



ここはお客様に、お酒と安らげる時間を提供する空間。



お客様にとって、それは思い出の味かもしれない。

心を込めて、この一杯を。



ー「Blue Rose」(タイトルコール)ー



(入店SE)



女性「こんばんは」



マスター「いらっしゃいませ。あ…いつものお席にどうぞ」



女性「ありがとうございます。覚えててくれたんですね」



マスター「それはもちろん。いつも奥の席に座ってらっしゃいますから」



女性「ふふ。そうですね。その方が落ち着く気がして」



マスター「そうですよね。ゆっくりしていってください。本日もいつものでよろしいでしょうか?」



女性「はい。今日も青いカクテルをお願いします」



マスター「かしこまりました。少々お待ちください」



(カクテルSE)



マスター「本日はこちらをどうぞ。ブルーレディでございます。ブルーキュラソーとジン、レモンジュース、それと卵白を合わせたものです」



女性「かわいいですね!いただきます…。(一口飲んで)思ったよりも優しい味!ふわふわの卵白が不思議な感じですね。初めて飲みました!」



マスター「これも違いましたか…すみません」



女性「…や…!こちらこそ、いつもすみません!(間) そういえば…グラス…!あの、こういうグラスじゃなく、細長いグラスでした!」



マスター「そうでしたか。なるほど。グラスの違いってご存知でしたか?」



女性「いえ…。どんな違いなんですか?」



マスター「このように細長いグラスをロンググラスと言いまして、ロングは氷が入っているもの。ショートは氷は入っていないんですよ。なので、ショートはぬるくならないうちに飲んでいただくので、お酒の弱い方にはロングのものがおすすめです」



女性「そういう違いだったんですね!それなら当然ロングですね。そのカクテル、私が初めて飲んだカクテルなんです」



マスター「初めてのカクテル…!それは思い出深いですね。どうしてそのカクテルを選ばれたんでしょう?」



女性「どれが良いとかわからなくて…おまかせで選んでいただいたんですよ」



マスター「そうでしたか。その方はお酒に詳しかったんでしょうか?」



女性「どうなんでしょう?高校の時の同級生なんですけどね、久々に会って飲みに行ったんですよ。その時に」



マスター「お友達、でしたか。良いですね」



女性「そういえば、この前、ミスチル(言いづらければMr.Children)流れてたでしょう?」



マスター「はい。そうでしたね。あの曲に思い出でも?」



女性「えぇ。あの曲、卒業式で歌うはずだったんですよ。でも私、卒業式に出られなくて…。みんなと一緒に卒業式したかったなぁって思って帰ろうとしたら、歌が聴こえてきて…。なんとね、みんなが待っててくれて…あの歌を歌ってくれたんです…!」



マスター「え…。そんなサプライズが…!」(ちょっと驚いている様子で)



女性「はい!だから、クラスメートのことは今でも大切な友達です。青いカクテルを選んでくれたのもその時の友達でした」



マスター「そうでしたか…。それは素敵な思い出ですね。あの、お客様、もう一杯いかがでしょう?別のものを」



女性「え…?えぇ。お願いします」



(カクテルSE)



マスター「こちら、ブルーラグーンでございます。ウォッカとブルーキュラソー、レモンジュースを合わせたものです」



女性「いただきます…。(一口飲んで)爽やか!飲みやすいですね!色もきれい!…でも…味が違うかも…」



マスター「そうですか…。カクテルにはカクテル言葉と呼ばれるものがありまして、ブルーラグーンには「誠実な愛」という意味がありますので、もしかしたら…と思ったんですが…」



女性「まぁ! 違いますよ。その子、女性ですもの。それに、そんなシャレたこと知ってるような人じゃなかったし」



マスター「そうでしたか。てっきり男性かと…」



女性「久々に会った異性と勢いで飲みに行くような女に見えます?私」



マスター「それは…おきれいですから、そんな出会いもあったのかなと…」



女性「まぁ! お上手! そんな素敵な出会いがあったら、今こうして1人で飲みに来たりしてませんよ。

(間)あの…。この色…。きれいな色ですよね。もしかしたら青というより、この青緑に近い色だったかもしれません」



マスター「青ではなく、青緑…。次回までに考えておきますね」



女性「はい。またよろしくお願いします。今日はもう帰りますね」



マスター「かしこまりました」



女性「ごちそうさまでした。おやすみなさい」



マスター「ありがとうございました。お気をつけてお帰りください」



(ドアSE)



マスター「そっか…。覚えててくれてたんだ…」



ー3話に続くー



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