Blue Rose

作家: ふわり
作家(かな): ふわり

Blue Rose〜第1話

更新日: 2023/11/30 21:21
現代ドラマ

本編


《登場人物》

男1×女1

マスター Barのマスター。男性。

女性 客。いつも決まって青いカクテルを注文する。

《概要》

とあるBar。初めて訪れた女性が注文したのは「青いカクテル」。

名前のわからない青いカクテルが何なのか?

女性はなぜ青いカクテルを注文するのか?

3話完結の第1話。

《目安》7分程度



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『Blue Rose〜第1話』



ここはお客様に、お酒と安らげる時間を提供する空間。



お客様にとって、それは思い出の味かもしれない。

心を込めて、この一杯を。

      

ー「Blue Rose」(タイトルコール)ー



(入店SE)



マスター「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」



女性「あ…はい」



マスター「メニューをどうぞ」



女性「ありがとうございます。(間) あの…青いカクテルって、どんなものがありますか?」



マスター「青いカクテルでございますか?そうですね…いくつかございますよ。ブルーハワイとかチャイナブルーとか…どんなお味のものがよろしいでしょうか?」



女性「あの…名前がわからなくて…ただ、青い色だけが記憶にあるんです」

マスター「そうですか…。かしこまりました。少々お待ちください」



(カクテルのSE)



マスター「どうぞ。こちら、ブルームーンでございます。ジンとバイオレットリキュールを合わせています」



女性「いただきます。(一口飲んで)おいしい…!でも…これじゃなかったみたいです」



マスター「それは…すみません」



女性「いえ、いいんです。こちらこそ、変な注文してすみません」



マスター「こちら、サービスでございます。初めてのお客様にお出ししております」



女性「わ…!いただきます」



マスター「どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください」



女性「(一口食べて)…ん…!これ、イチゴ味かと思ったら、桃…?おいしい!」



マスター「お気に召していただけて良かったです」



女性「おいしいです。バーでアイスをいただけるなんて思ってなかったから…」



マスター「女性はアイス、お好きでしょう?」



女性「まぁ! そうですね、アイス嫌いな女性って見たことないですもんね」



マスター「ですよね」




女性「あの…もう1杯、別の青いカクテルをいただけますか?」



マスター「はい。かしこまりました。少々お待ちください」



(カクテルSE)



マスター「どうぞ。こちら、ブルーハワイでございます。ラムとブルーキュラソー、それにレモンジュース、パイナップルジュースを合わせたものです」



女性「わ…!見た目が華やか!(一口飲んで)…おいしい!トロピカルですね!飲みやすいし。…でも…これじゃなかったみたい…」



マスター「これも違いましたか…すみません」



女性「謝らないでください。私が無理な注文をしているんですから…」



マスター「他に何か覚えていることはありますか?」



女性「そうですね…チューインガムのような味がした気がします」



マスター「チューインガム…甘い香りのような?」

     

女性「そうかもしれません。あの…今日はこちらをいただいたら帰りますね。

また、来ても良いでしょうか?」



マスター「もちろんですよ。いつでもいらしてください」



女性「ありがとうございます」



マスター「ごゆっくりどうぞ」



(曲が変わる)(Mr.ChildrenのTomorrow never knowsのオルゴール曲)



女性「…!え…?この曲、ミスチルですか?」



マスター「えぇ、Mr.Childrenですよ。オルゴール曲なのでわかりづらいかもしれませんね」



女性「わかります!さっきまでジャズが流れていたのに、どうしてこの曲を…?」



マスター「特に意味はございません。たまにJポップも聴きたくなって変えるんですよ」



女性「バーでJポップって珍しいですね」



マスター「そうかもしれませんね。戻しましょうか?」



女性「いえ…!このままで!」



マスター「では、しばらくこのままで…」



(少しの間)



女性「あの…お会計お願いします」



マスター「かしこまりました。こちらでお願いします」



女性「ごちそうさまでした。また来ますね」



マスター「ありがとうございました。お気をつけてお帰りください。」



(ドアSE)



マスター「青いカクテルか…」



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第2話へ続く

      
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