潮騒の歌〜赤いハイビスカスの花〜
潮騒の歌〜赤いハイビスカスの花〜
更新日: 2023/06/06 21:06詩、童話
本編
空の青と海の青が溶け合うその境で、
背中に感じる筋肉の感触と
体温と匂いに優しく包まれて。
あの日、私はあなたという海に溺れた。
胸の奥から絶えず込み上げてくる熱い想いに、
頭の中が一気に押し流されそうになる。
引き寄せる波のようにあなたの腕が私を包み込み、
夢の続きのような甘い疼きが、身体中を一気に満たしてゆく。
大きな渦に巻き込まれ、
遠く遠くへと運ばれてゆく赤いハイビスカスの花のように、
自分が一体どこまで流されてゆくのか、良く分からない。
だけど……
どこまでも潰えることのない温もりに心ときめかされ、
いつまでも揺らされていたくなる、
引いては寄せる熱い波。
その響きは、遠い夢のように聞こえてくる。
寄せては返す波のような激しいその想い。
胸の鼓動が高まり、潮騒の響きをたてながら身体中を駈け巡る炎。
その炎は息をひそめて静かに迫ってくる。
少しずつ近づいてくるように、迫ってくる。
ゆっくりゆっくり迫ってくる。
この日のことを覚えていたいから、
私はその逞しい背中に縋りつく。
この夜のことを忘れたくないから、
私はその美しい瞳を見つめ続ける。
ああ、あなたを身体中に刻みつけてしまえたらと、つい願ってしまう。
肌へと直に感じる胸板の厚み。
彫刻のような美しい筋肉は熱い檻となって、
私を決して離そうとしない。
私はまるであなただけの囚人のようね。
愛しい愛しいあなた。
今、この瞬間だけで構わない。
私だけのものになって欲しい。
私だけのあなたでいて欲しい。
切なる願いは、
尽きることを知らない祈りのように、
わだつみへと捧げられてゆく。
遠くの方でこだまする潮騒の響きが、いつまでも絶えず鳴り響くように。
とどまることを知らず込み上げてきて、私の目から溢れ出してゆく涙を強く吸い上げるその唇は、
熱い吐息を漏らしながら、私の耳元で優しく囁いた。
太陽のように熱っぽいその瞳に照らされて、
私は咲き乱れる花となる。
0背中に感じる筋肉の感触と
体温と匂いに優しく包まれて。
あの日、私はあなたという海に溺れた。
胸の奥から絶えず込み上げてくる熱い想いに、
頭の中が一気に押し流されそうになる。
引き寄せる波のようにあなたの腕が私を包み込み、
夢の続きのような甘い疼きが、身体中を一気に満たしてゆく。
大きな渦に巻き込まれ、
遠く遠くへと運ばれてゆく赤いハイビスカスの花のように、
自分が一体どこまで流されてゆくのか、良く分からない。
だけど……
どこまでも潰えることのない温もりに心ときめかされ、
いつまでも揺らされていたくなる、
引いては寄せる熱い波。
その響きは、遠い夢のように聞こえてくる。
寄せては返す波のような激しいその想い。
胸の鼓動が高まり、潮騒の響きをたてながら身体中を駈け巡る炎。
その炎は息をひそめて静かに迫ってくる。
少しずつ近づいてくるように、迫ってくる。
ゆっくりゆっくり迫ってくる。
この日のことを覚えていたいから、
私はその逞しい背中に縋りつく。
この夜のことを忘れたくないから、
私はその美しい瞳を見つめ続ける。
ああ、あなたを身体中に刻みつけてしまえたらと、つい願ってしまう。
肌へと直に感じる胸板の厚み。
彫刻のような美しい筋肉は熱い檻となって、
私を決して離そうとしない。
私はまるであなただけの囚人のようね。
愛しい愛しいあなた。
今、この瞬間だけで構わない。
私だけのものになって欲しい。
私だけのあなたでいて欲しい。
切なる願いは、
尽きることを知らない祈りのように、
わだつみへと捧げられてゆく。
遠くの方でこだまする潮騒の響きが、いつまでも絶えず鳴り響くように。
とどまることを知らず込み上げてきて、私の目から溢れ出してゆく涙を強く吸い上げるその唇は、
熱い吐息を漏らしながら、私の耳元で優しく囁いた。
太陽のように熱っぽいその瞳に照らされて、
私は咲き乱れる花となる。