雨音に恋し君の声

作家: たちばな
作家(かな):

雨音に恋し君の声

更新日: 2023/06/02 21:46
詩、童話

本編


誰もいない深夜の帰り道
傘に当たる雨が
ぱらぱらと立てる音が心地いい

重なるように
いつかの君の声が聞こえた気がして
僕はふと立ち止まった

冷えた空気に吐く息は白かったけれど
ぽつりと君の名を呟くと
僕の心は温かな記憶に包まれていった

いつか君が傘に入れてくれたあの時も
雨はぱらぱらと音を立てて

君の優しい話し声に重なるこの音が
僕はとても好きになったのだった

今度君にも聞いてみよう
君もこの音を好きだったなら
どんなにか嬉しいことだろう

雨はぱらぱらと

ぱらぱらと、降り続く
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