春の特大ファンファーレ

どうも、おひさしぶりでございますね。
お元気でいらっしゃいましたか？
…えぇ、そうです。
「来ちゃった♥」ってやつ、一度やってみたかったんですよね。
どうです？びっくりしました？
…んっ、そんな露骨に嫌な顔しないでくださいよ。
そんな顔されますと…余計にいじめたくなってしまいます。
真っ赤にうるんだおめめが、とても魅力的。
うっかり、いつもより長居してしまいそうです。
…ふふふ、冗談ですよ。本気にされました？
ほら、もう、そんな物騒なスプレーなんて、しまってください。ね？
しかし…前にお会いした時よりも、更に防御力が増していませんか？
マスクに、眼鏡、目薬…空気清浄機まで！はぁ。
これまで、あなたには、じっくりと調教してまいりましたが、
そのご様子だと、まだお判りいただけていないようですね？
この際ですから、はっきりと申し上げましょう。
私から逃げようとしても、無駄です！
国外逃亡でもするなら、話は別ですが…
しかし、あなたは語学力も、渡航する根性も持ち合わせてはおりません！
そうですよね？
…はい。もちろん全部お見通しですとも。
私がそばにいるだけで、あなたの体は敏感に反応していらっしゃる。
そのご様子では、もう、うずいて我慢できないのでしょう？
ならば、奥からこみあげてくる衝動に、諦めて身をゆだねてしまいましょう。
どうせ私に抗うことなど、できないのですから…！

（くしゃみ）

くっくっく…これはまた、大きな「くしゃみ」でございますね。
まさに春の幕開けに相応しいファンファーレ！
私、杉花粉は、今年もたっぷり特盛で準備してまいりましたよ！
そうです。裸子植物の名にかけて！はーっはははははは！