真夏の枯葉

今にも枯れて消えゆく
枯葉の様な いのち に誰かが今目を向け

せわしない日々の中
それに気づき立ち止まる
人
ひとびと
が繋いだいのち

すくいあげた体はちいさく
かすかに震えていた

知らない世界に、音に、温度に

さしのべられた手の気配
己を離した手、己をすくった手
似ているようで全く違う

包み込む息遣いが優しいと知ったとき
空腹な身を任せ、力を抜いた
ちいさく口をあけ
にゃあと鳴いた

落ち葉に見えた小さな命の息吹
茶色い子猫の呼び声を乗せて
暑い夏がやってくる

いのちよ
このちいさく尊い炎よ

ぐんぐんと育て
太陽に向かい、ただ一身に
伸びをするのだ