おひさまと影ぼうし

作家: おうみたま
作家(かな):

おひさまと影ぼうし

更新日: 2023/06/02 21:46
詩、童話

本編


繰り返し、繰り返す。 君と歩き始めた道は、決して平らではない。
雨も降るし風も吹く。

時には地割れを起こし、2人がもう一緒にいられないかもしれないと思う時だってある。
でも、忘れない。 陽だまりを手を繋ぎ歩く、幸せを。

夏の厳しい日差しの下でじゃれて騒ぐ。
秋の思わぬ寒さに震える僕をみて、君は笑う。
冬はいっそう厳しくて、でも君の傍にはいつも暖かい太陽が輝いている。

太陽はいつか沈む。けれど、また昇る。
それを黙って待てばよいものを、暗闇にふらふらと惹かれる僕の悪い癖が時にそれを妨げる。

春が来る。目覚めの時。
輝く美しい世界。 緑は萌え、花は咲き誇り、その生を謳歌する。
色とりどりの美しい場所が、僕らの居場所がある。

繰り返し、繰り返す。季節の移ろい。
気づけば暖かい日差しが僕らを包んでいる。

ゆっくりと手を繋ぎ、歩き出す。 温もりはそばにあった。 手を引く僕。手を引くあなた。
対照的で、よく似ていて、そんな矛盾した2人。

夕闇が当たりを包む。 光と影の織り成す世界。
この世界もまた美しいだろう?
光は影を産む。影があるから光は輝く。
2つを引き裂くことはできない。 たとえ神でさえ。

私の光よ。心から愛しています。
ずっとあなたのそばで居よう。

私の光よ。あなたが埋められない場所は、私が埋めよう。
このどうしようもなく美しい世界を創るのは、僕達2人だ。

私の陽だまり。私の光。 いつまでもそばにいて欲しい。
あなたが輝けば輝くほど、私の影もまた美しさを増すから。
世界を、もっと美しく、染めるから。 大好きだよ。
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