夢見がちな女の子

作家: リコピン
作家(かな):

夢見がちな女の子

更新日: 2023/06/02 21:46
その他

本編


A「ねえ、夢ってある?」
B「え?んー……特にないかな」
A「そっかー……」
B「急にどうした?」
A「ちょっとねー……」
B「なんだよ?」
A「いやね、授業でわたしの夢について発表したんだけどさ、『子どもっぽい』って笑われちゃったんだよね……」
B「なんだそれ!ひどい話」
A「そうなの!わたしは真剣なのにさ!」
B「うんうん、自分の夢だもん、笑われたら傷つくよ!」
A「そうよそうよ!」
B「ところでその夢ってなんなの?」
A「えー……笑わない?」
B「笑わない!」
A「絶対?」
B「絶対!」
A「じゃあ教えたげる!私の夢はね……」
B「うんうん……」
A「鳥さんみたいに空を飛んでお星さまのところまでいくこと!」
B「……」
A「……」
B「……プッ」
A「あーわらったー!!いいもん!誰もわかってくれないんだから」
B「ごめんごめん、予想外すぎてつい笑っちゃった」
A「……うそつき」
B「ごめんって!にしてもなんでお星さまのところに行きたいの?」
A「だってお星さまってすっごくキレイじゃない?すっごく遠くにあるのにあんだけキレイなら近くで見たらどんだけキレイなんだろうっておもったの!」
B「……そっか」
A「だからお星さまに向かってバビューンって飛んでいきたいの!」
B「……ステキな夢だね」
A「でっしょー!!もうわかってくれるのはBくんだけだよー」

B「ぼくは5年たった今でもあの日のことを後悔している。なぜ彼女を諭さなかったのか、なぜ彼女をなぐさめることしか考えなかったのか!彼女は死んだ。また夢をばかにされて、マンションの自室から飛び降りた。……ぼくが殺したようなものだ。ぼくはこの罪を一生背負わなくてはならない。彼女が最後に残した言葉とともに」

A「わたしたちがまちがってないってことを証明する!!」
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