鳥居の先になにが見える？　～五十三・ネコを崇めよ～

　一つ、彼らは地球資源を使いすぎた。
　地球資源を緩やかに使えば向こう1000年は枯渇することもないというのに、人類はなんと数百年のうちに使い切ろうとしている。強欲と呼ばずなんという？
　
　一つ、生命の根幹たる木々を伐採しすぎだ。
　地球は空気豊かな素晴らしい星だ。だというのに人間ときたらやたらめったら木を切りまくる。ケツを拭くのにも使う？　極刑だ。

　一つ。海を汚し過ぎている。
　青い地球とは宇宙から見た感想で、実際は鉄くずだの、プラスチックだのゴミが溢れかえっている。それで自分達の喰う食物が毒に犯されてりゃ世話もない。

　一つ、イタズラに命を弄んでいる。
　病気の究明、食料家畜、合成。それを人間でやったらやれ倫理が人道がと騒ぎ出す。その上頂いた命を粗末に扱ってゴミにする。ありえないくらいのクズっぷり。

　一つ、我欲をコントロールできない。
　弱いものを徹底的に叩き、強きもくじく。信じられないほど横暴で暴力的な種族で、同じ人類だというのに差別偏見は亡くならず戦乱は絶えない。

　一つ、宇宙にゴミをばら撒き始めた。
　地球を汚すだけでは飽き足らず、今度は宇宙にまでゴミをばら撒き始めた。危険度を一切理解していない連中の頭の中が見てみたい。

　一つ、馬鹿な兵器を作りすぎている。
　核だ、クラスターだ、自分の首を絞めるものばかり作って、割は一般人がくらうという実に頭の悪い構図。技術の発展に犠牲はつきものとかお前が言うな。

　

　これだけ理由があれば、人類を絶滅させるに反対の者はいない。いっそ地球ごと浄化してしまおうなんて案も出る始末だ。たいていのものがそれに賛成だが、一人意見するものがいた。

「でもそうすると、地球最大の至宝であるネコ科動物も死に絶えますよ？」

　その一言で会議は終わった。
　人類を滅ぼす理由が例え百、千あれど、猫がいる限りこの星に終止符が打たれることはない。